みんなちがって みんないい
金子みすずさんの詩「わたしと小鳥とすずと」より
一つの母体から
木のように伸びてまた新たな形を生み出す
それぞれ母体の形のDNAを受け継ぎながら
それぞれに違った形になる
どんな形であっても
温かく見守っている
母の木
そしてまた繋がっていく
理の樹
「‥・天に在りては願わくは比翼の鳥となり
地に在りては顧わくは連理の枝と為らんと‥・」
(中国の詩人、白居易(はくきょい)の
『長恨歌(ちょうごんか)の中の一節。
玄宗皇帝と楊貴妃が誓い合った有名な言葉)
比翼の鳥とは、二羽一体になって飛ぶという想像の鳥
連理の枝とは、別々の木の枝や幹が連なって
木目の相通じたもの
それは二つで一つのもの
…離れることのない愛を誓う言葉
この作品は結婚直前に制作した
生まれ背負ってきた名前に「樹」という字がある
偶然にも主人の名前にも「樹」があった
「比翼の鳥、連理の枝」を主人が口にした時
いつか「連理の樹」という作品を作りたいと患っていた
「樹」という字は植物の総称
年輪を重ねて大木になる「樹」を
「家族」の成り立ちとイメージを重ね
一つでは不安定な二つの形が
お互いに支えあうことによって
一つの「樹」として自立し
そこから始まっていく様子をかたちにした
「連理の枝」ではなく 枝や葉を繁らせる「樹」
…つまり「家族」
年輪をイメージして中心を軸とし 広がっていく
「家族」の理想を一つにして二つの形が一つのものを作っていく
人間 完壁な人などいないと思っている
だからこそお互いが 家族としての絆を軸に
ささえあって作っていくもの
さあ これから どんな「樹」 にしていこうかね |