■脳卒中について
早期発見・早期治療のすすめ
高齢化社会を迎え、脳卒中は、ガン、心臓病とともに死亡率の上位を占めています。ストレスや過労が社会問題化したり、小渕前首相の死因となるなど、脳神経関連の病院への受診や、脳ドックへの申込が増えているそうです。この機会に自分の健康状態を見つめ直してみましょう。脳卒中の種類
脳卒中は大きく三つのタイプに分けられます。
脳梗塞=脳の血管が詰まり、その先に血液が届かなくなり、脳組織が血液不足(酸素や栄養不足)で死んでしまうものです。
脳出血=動脈硬化や高血圧などで脳の血管がもろくなり、
破れて血液が脳内にたまり、その結果周辺の脳組織を壊してしまうものです。
くも膜下出血=脳底部のくも膜と軟膜の間の血管にこぶ(脳動脈瘤)ができ、これが破裂して周辺部分を圧迫して壊すものです。脳卒中の症状
脳梗塞=脳梗塞は脳血栓と脳塞栓に分けられます。脳の血管が動脈硬化をおこして狭くなり、そこに血液が固まって詰まるのが脳血栓です。脳塞栓は、心臓など別の場所にできた血栓が脳に運ばれ、血栓よりも細い血管部分に引っかかってしまうものです。心臓弁膜症や不整脈といった心臓病があると血栓ができやすくなります。いずれも夜中や明け方に急に手足がしびれたり麻痺する、口が回らずしゃべりにくくなるといった症状があります。大きな発作の前には、前触れとして何度か小発作が起こるのが普通です。食事中に箸を落としたり、手足がしびれたり軽いめまいを起こすといった症状があり、数分から24時間以内でもとにもどるものを一過性脳虚血発作(TIA)といい、末梢の細い血管が詰まるため症状が軽いですが、脳梗塞の前触れといえます。
脳出血=ほとんどが高血圧症の人に起こります。発作は暖かい所から急に寒い所にでたとき、トイレの中、会社で無理をして働いているとき、会議などで激論したときなどによく起こります。多くは重症で、半身麻痺や頭痛が始まり、気分が悪くなり、意識がもうろうとなります。
くも膜下出血=くも膜下出血の原因のほとんどは、脳動脈の分岐点にできた動脈瘤が出血をおこしたもので、先天的に血管壁の弱いところのある人の血管部分が加齢とともにふくらみ、40〜50歳代になり圧力に耐えきれず破裂してしまうのです。成人の30人に1人は動脈瘤を持っているといわれますが、破れるまでは何の症状もなく、突然、3日から一週間も激しい頭痛が続き、嘔吐、意識障害、麻痺などもあらわれます。また、先天的に動脈と静脈が末端でつながっている動静脈奇形という病気では、弱い静脈壁に、動脈と同じ圧力がかかり、静脈が突然破れてしまう危険があります。この場合20歳代など若い年齢でも起こります。脳卒中の危険因子
●高血圧=高血圧は脳卒中だけでなく狭心症や心筋梗塞など、様々な原因となります。上の血圧(収縮期血圧、140以下が正常の目安)、下の血圧(拡張期血圧、同85以下)のどちらが高い場合も危険です。高血圧が続くと小動脈瘤ができたり、動脈硬化を引き起こし、血栓ができやすくなります。
●コレステロール=コレステロールは動物の肉や脂肪に含まれ、摂りすぎると高コレステロール血症になり、動脈硬化を引き起こします。
●心疾患=心臓弁膜症や心房細動などは、心臓の血流をよどませ、血液が固まりやすくなって血栓ができ、脳梗塞の原因になります。
●ストレス・過労=仕事でもプライベートでも競争心が強く、時間に追われている感じのある人はストレスがたまったり、過労気味になりやすく、高血圧、動脈硬化を引き起こしやすいといわれています。予 防
高血圧は脳卒中の最大の原因です。血圧が高くなる原因は、食塩の摂りすぎ、ストレス、寒さ、喫煙などです。1日の食塩摂取量は10g以下にするよう心がけましょう。調味料にはかなりの塩分が含まれていますから、薄味になれることが必要です。食塩のかわりに酸味や香辛料を使うのもいいでしょう。コレステロールは動物の肉や卵に多く含まれているのであまり食べ過ぎないようにしましょう。魚の肉に入っている脂肪はエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸という脂肪で、コレステロールの吸収を抑える働きがあるのでしっかり摂るといいでしょう。野菜や海草、穀類、豆類などに含まれる植物繊維もコレステロールの吸収を抑えます。食べ過ぎや、飲み過ぎは注意し、たばこは止めるのがいいでしょう。また、運動をすることによりエネルギーを消費し、身体の代謝を活発にすることが大切です。ストレスや疲労をためないことももちろんです。定期検診の薦め
脳卒中を事前に発見、早期に治療するには専門医の検診が欠かせません。関心が高まっている脳ドックを受診するのもいいですし、かかりつけの病院で、血液、血圧、心電図、脳波、眼底、X線CTなどの検査を受け、高血圧の管理、食事指導などを実践すれば、脳卒中の予防や疾患の発見に役立ちます。定期的に受診するようにしましょう。